2022-01-01から1年間の記事一覧

113冊目 「葛登志岬の雁よ、雁たちよ」 平石貴樹

葛登志岬の雁よ、雁たちよ 作者:平石 貴樹 光文社 Amazon 函館物語シリーズ3作目。名探偵ジャン・ピエールがフランスに帰ってしまうようなのでこれが最終巻かな? いつものことながら捜査過程が淡々と記述されて最後に名探偵がみんなを集めてさてというパタ…

112冊目 「ひとり旅」 吉村昭

ひとり旅 (文春文庫) 作者:吉村 昭 文藝春秋 Amazon 作家の死後刊行されたエッセイ集。 歴史小説を書くにあたって資料を集め人に話を聞き定説を疑い納得のために現地に何度も通う。 想像を排し勝手なロマンを挟まない。 ここまでやるのか?それで読者の感情…

111冊目 「ドリーマーズ」 柴崎友香

ドリーマーズ (講談社文庫) 作者:柴崎友香 講談社 Amazon 何気ない女の子たちのおしゃべり、日常。 不思議な味わいといえばそうなんだろうけどストーリーがあるようなないような、ちょっとわかりにくいかも。

110冊目 「川のほとりで羽化するぼくら」 彩瀬まる

川のほとりで羽化するぼくら 作者:彩瀬 まる KADOKAWA Amazon 無言のうちに女に押し付けられてきたもの。時代とともに少しずつ変化し軽くなってきていると信じたい。 やはり1話目の「わたれない」が一番希望を感じられて好き。 今週のお題「SFといえば」 思…

109冊目 「薄情」 絲山秋子

薄情 (河出文庫) 作者:絲山秋子 河出書房新社 Amazon 地方に暮らす閉塞感とかそれとはまた別の居心地の良さとか 神社のあとを継ぐための神主見習い仕事とあとは人生を削るようなアルバイト生活 人にもモノにも熱くなることができない男の心情を薄情と呼んだ…

108冊目 「新しい世界で」 石持浅海

新しい世界で 座間味くんの推理 作者:石持 浅海 光文社 Amazon 座間味くんシリーズ かつてのハイジャック事件に関わり合った座間味くんと警視庁幹部そこに今回は事件時1歳で人質にされた女性が加わって 酒を飲み美味しいものを食べ不思議な事件を語り合い座…

107冊目 「女ふたり、暮らしています。」 キム・ハナ ファン・ソヌ

女ふたり、暮らしています。 作者:キム・ハナ,ファン・ソヌ CCCメディアハウス Amazon 友人同士の同居ということでもっとシェアハウスのようなあっさりした関係かと思ったら 恋人同士か?と思うくらい濃密な関係でした。 それでも韓国でも嫁という存在は…

106冊目 「月曜日は水玉の犬」 恩田陸

月曜日は水玉の犬 (単行本) 作者:恩田 陸 筑摩書房 Amazon エッセイ集というよりは書評解説映画評集。 恩田陸って身辺雑記的エッセイはあまり書かないのかな? 相変わらず見てない読んでないばかり。

105冊目 「大学教授、発達障害の子を育てる」 岡嶋裕史

大学教授、発達障害の子を育てる (光文社新書) 作者:岡嶋 裕史 光文社 Amazon 発達障害の息子について自身もグレーゾーンで学校や集団生活に馴染めなかった父親が語るエッセイ本。 父親が自分自身について語っている部分も多くて割と呑気そうな語り口が読み…

104冊目 「魂手形」 宮部みゆき

魂手形 三島屋変調百物語七之続 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 宮部みゆきうますぎて一気読み。 語り捨ての話もいいけれど富次郎になってから三島屋の日常の話が少ないのがちょっと寂しい。 三島屋に良い知らせがもたらされたけれどあの世の商人とやらが…

103冊目 「朝と夕の犯罪」 降田天

朝と夕の犯罪 (角川書店単行本) 作者:降田 天 KADOKAWA Amazon 虐待とかネグレクトとかが根底に流れているお話。 車で放浪する父と二人の幼い息子。父親の死でばらばらになった二人が10数年後再会して狂言誘拐に巻き込まれる第一部 第二部では未就学の子供…

102冊目 「佐渡の三人」 長嶋有

佐渡の三人 (講談社文庫) 作者:長嶋有 講談社 Amazon 作家の主人公引きこもりの弟古道具屋の父の三人が親族の納骨のために佐渡の一族の墓を訪れる。 道中の会話思い出行動がどこかずれているようで自然なようでわざとなようで。 近くて遠くて踏み込まない家…

101冊目 「ミス・サンシャイン」 吉田修一

ミス・サンシャイン (文春e-book) 作者:吉田 修一 文藝春秋 Amazon 大学院生の一心が教授から頼まれて倉庫の資料整理に訪れたのは80代の美しい昭和の大女優宅だった。 彼女鈴さんの家に通い交流を深め過去の映像などを見るうちに老女優に惹かれていく一心…

100冊目 「世界の美しさを思い知れ」 額賀澪

世界の美しさを思い知れ 作者:額賀 澪 双葉社 Amazon 人気俳優の双子の弟が自殺した。遺書もなく理由もわからない。 弟の思考を追うように旅をする兄。 死者は語らず何を思ってもそれは生者の思考でしかない。 残されたものの悲しみ苦悩怒り。さっぱりと腑に…

99冊目 「罪人よやすらかに眠れ」 石持浅海

罪人よやすらかに眠れ (角川文庫) 作者:石持 浅海 KADOKAWA Amazon 北海道札幌の中島公園近くの高級住宅街にある大きな館。 心に合を抱えた人が惹きつけられるように迷い込む。 迎えるのは謎めいた超絶美形青年北良 訪問者の話を聞くうちに裏に隠された真実…

98冊目 「指切りパズル」 鳥飼否宇

指切りパズル (本格ミステリー・ワールド・スペシャル) 作者:鳥飼否宇 南雲堂 Amazon 動物園のイベントでアイドルユニットの一人がレッサーパンダに指を噛み切られる。 その後関係者に連続して起こる指切断事件更には殺人事件。 動物園の警備員が何故か警察…

97冊目 「ルーティーンズ」 長嶋有

ルーティーンズ 作者:長嶋有 講談社 Amazon コロナ禍の中小説家と漫画家の夫婦と幼い娘。 保育園が休園しマスクや消毒薬が姿を消し世の中が沈滞化している中でそれでも日々の暮らしは回る。 事件は起きない泣きも叫びっもしないそんな風に記録される日常が好…

96冊目 「名探偵に甘美なる死を」 方丈貴恵

名探偵に甘美なる死を 〈竜泉家の一族〉シリーズ 作者:方丈 貴恵 東京創元社 Amazon 館に集められた8人の素人探偵が命をかけてVR世界と現実世界を行き来して推理合戦を繰り広げる。 現実にVRがどこまで進化しているのか知らないけどこういう謎のためなら何…

95冊目 「スープやしずくの謎解き朝ごはん」 友井羊

スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 朝食フェスと決意のグヤーシュ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:友井 羊 宝島社 Amazon シリーズもずいぶん進んでそろそろ主役二人の関係に変化が訪れる頃? 麻野の娘露も後押しを始めそうだし。 短編ということ…

94冊目 「バベル九朔」 万城目学

バベル九朔 (角川文庫) 作者:万城目 学 KADOKAWA Amazon 「ヒトコブラクダ」が面白かったので手に取ったけどデビュー前の鬱々感や誰を信じていいのかわからないというか誰も信じられない展開が読み進むのにちょっとつらい。 この訳のわからなさこそが万城目…

93冊目 「消滅」恩田陸

消滅 VANISHING POINT (上) (幻冬舎文庫) 作者:恩田 陸 幻冬舎 Amazon 消滅 VANISHING POINT (下) (幻冬舎文庫) 作者:恩田陸 幻冬舎 Amazon 特大の嵐が迫る中入管で別室に連行された10人の男女はその中にテロリストが紛れ込んでいると告げられ疑心暗鬼の…

92冊目 「播磨国妖綺譚」 上田早夕里

播磨国妖綺譚 (文春e-book) 作者:上田 早夕里 文藝春秋 Amazon 蘆屋道満の末裔である法師陰陽師兄弟。兄は優秀な薬師であり弟はあやしを見る目を持ち式神を従える。 派手に戦うのではなく少しの不思議や悲しみをそっと癒やすような優しさがある。 上田早夕里…

91冊目 「歩道橋シネマ」 恩田陸

歩道橋シネマ(新潮文庫) 作者:恩田陸 新潮社 Amazon 恩田陸は何度読んでも面白いなぁ。とは言えかなりすっきりと忘れてしまっていたのだけれど。 すでに発表された作品のスピンオフとかこれから長編に育っていくだろう作品とかもいくつか。 とはいえいつに…

桔梗と紫陽花

うちのベランダでも咲いているんだけどね。 今年は紫陽花は不調。 遠州森町 光照寺(桔梗寺)蓮もあり 極楽寺 (あじさい寺) 平日だったからもっと閑散としているかと思ったけどそこそこの人出だった。 子連れママ友とか子連れママとその両親とか私達みたい…

90冊目 「赫衣の闇」 三津田信三

赫衣の闇 物理波矢多シリーズ (文春e-book) 作者:三津田 信三 文藝春秋 Amazon 物理波矢多シリーズ これもホラーとミステリのハイブリッド 終盤刀城言耶がちらりと登場。ちょっと会話を交わしてすれ違うだけの出演だけどこの二人同時代人だからいつか共演が…

89冊目 「エレジーは流れない」 三浦しをん

エレジーは流れない 作者:三浦しをん 双葉社 Amazon かつてはそこそこ栄えたけれど今は寂れてしまった観光地に暮らす高校生。 家庭環境将来への不安色々ありつつ友人たちとつるんだり心配したりされたり。 こんな奴はいないよと思うのに何処かで繰り広げられ…

88冊目 「影踏亭の怪談」 大島清昭

影踏亭の怪談 作者:大島 清昭 東京創元社 Amazon ミステリとホラーのハイブリッド ミステリ部分の謎は解けても怪異の謎は残る。 実話怪談作家が怪異と人的事件を切り分ける。

87冊目 「姉の島」 村田喜代子

姉の島 作者:村田 喜代子 朝日新聞出版 Amazon 引退した海女の老女が同じく引退海女たちと海図を作ったり妊娠した孫の嫁と語らったり かつて海で死んだ霊と交わったり沈んだ潜水艦を見たり。 アワアワとした日常と不思議な世界を行きつ戻りつしている。 結末…

86冊目 「ヒトコブラクダ層ぜっと 下」 万城目学

ヒトコブラクダ層ぜっと(下) 作者:万城目 学 幻冬舎 Amazon 活劇があってハラハラドキドキして三つ子の絆と銀亀三尉との信頼が熱い。 怒涛の勢いで大団円かと思いきやその後の展開でえっ?は?へ? これが万城目ワールドなのね。全作読んでるわけじゃないけ…

85冊目 「ヒトコブラクダ層ぜっと 上」 万城目学

ヒトコブラクダ層ぜっと(上) (幻冬舎単行本) 作者:万城目学 幻冬舎 Amazon 梵天梵地梵人という三つ子の奇妙な能力。そのなんの役に立つのかわからない能力が駆使される展開。 狭い倉庫から始まって砂漠の果まであれよあれよと連れて行かれてまだ何もわかっ…