2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

19冊目 「東京のぼる坂くだる坂」 ほしおさなえ

東京のぼる坂くだる坂 (単行本) 作者:ほしおさなえ 筑摩書房 Amazon 子供の頃に家を出て行き名のある坂の近くを転々とした父親が亡くなった後 それぞれの坂を訪れる娘 同僚仕事相手連句会の仲間母や叔母いろいろな人とのやり取りとともに東京の坂が紹介され…

18冊目 「絵の中のモノ語り」 中野京子

絵の中のモノ語り 作者:中野 京子 KADOKAWA Amazon 絵画の解説(?)で著名な著者ですが初読み 絵って美術館で見ていてもだんだん疲れてくるし色きれいとか本物そっくりとかいう感想くらいしか浮かんでこないんだけど 隅っこの小さなアイテムにも注目すると…

17冊目 「怪談小説という名の小説怪談」 澤村伊智

怪談小説という名の小説怪談 作者:澤村伊智 新潮社 Amazon 澤村伊智の怖い話はどうしても人間が怖いの方向に寄ってしまいがちなのだよなぁ メタっぽい話が好きなので「こうとげい」「涸れ井戸の声」が良かった 寒い 今日は予報通りに雪が降った 昼間の雪なの…

16冊目 「砂まみれの名将」 加藤弘士

砂まみれの名将 野村克也の1140日 作者:加藤弘士 新潮社 Amazon 野球はここ数十年関心を持たずに過ごしてきたしもちろん野村監督は知ってはいたけど 辛気臭いおじさんという印象があるくらいだった 奥さんもなかなか強烈そうだし スポーツ新聞の記者がシダッ…

15冊目 「離陸」 絲山秋子

離陸 (文春文庫) 作者:絲山秋子 文藝春秋 Amazon わからないことは色々多い 主人公の昔の恋人 パリで息子を置いて失踪してしまった“女優”とは何だったのか? 時空は超えられたのかフィクションと現実の境はどこにあるのか 寺の住職は何者なのか みな明らかに…

14冊目 「或るアメリカ銃の謎」  柄刀一

或るアメリカ銃の謎 作者:柄刀 一 光文社 Amazon 南美希風&エリザベス・キッドリッジコンビの国名シリーズ 犯人不在の射殺事件のアメリカ銃と孤島の連続殺人のシャム双子の2本立て ちょっと強引かとも思うけど勢いで読み進む 値上げ Jリーグ(主にグラン…

13冊目 「悟浄出立」 万城目学

悟浄出立(新潮文庫) 作者:万城目学 新潮社 Amazon 万城目ワールドと呼ぶ驚くようなめくるめく展開は出て来ない 出てくるのはなんとなく名前ぐらいは知ってる?いやいやこの人だれ?三国志の人? 中国人の名前わからない?? なんだけどそれぞれが悩み考え…

12冊目 「古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖」 柊サナカ

古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:柊 サナカ 宝島社 Amazon 事件帖とタイトルにあるけれどもミステリではない 最後にちょっとした種明かしがあるけれど 着物に関する蘊蓄と優しい人達の軽やかな関係 三婆がい…

11冊目 「虚実医霊」 千国礼拓

虚実医霊 除霊整体師 禁忌のカルテ 作者:千国礼拓 彩図社 Amazon お仕事系怪異体験小説 霊障による体の不調を怪異を引っ剥がすことで解消するという特殊技能を持つ整体師 微笑ましい霊もいれば怖~~いのもいてスルスルと読めました

10冊目 「おネコさま御一行」 群ようこ

おネコさま御一行 れんげ荘物語 作者:群 ようこ 角川春樹事務所 Amazon ひたすら猫が可愛いあとは何もいらんと言っているお話 価値観としてはありだと思うけどこういう暮らしに憧れるかというとぼんやり小鳥を眺めて数時間なんて ちょっと無理だしなぁ 時間…

9冊目 「ロシア点描」 小泉悠

ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔 作者:小泉 悠 PHP研究所 Amazon 侵略国家として非難されているロシアの国民性や暮らし政治についてもわかりやすく書かれていて 基礎知識すらなくても面白く読める 当たり前だけどロシア人が皆極悪非道な訳で…

8冊目 「夢魔の牢獄」 西澤保彦

夢魔の牢獄 作者:西澤保彦 講談社 Amazon 睡眠中に過去の友人に憑依して断片的な過去を覗き見られる体質の主人公 その断片から22年前の恩師の義理の息子殺害事件の真相を推理する 西澤さんらしいといえばらしいんだけど過剰でアブノーマルな 性的描写には…

7冊目 「さんず」 降田天

さんず 作者:降田天 小学館 Amazon 死にたいのに死にきれない者にそっと名刺を渡し死の背中を押す自殺幇助業者さんず 人の死に異様に関心を示す社長の道楽とか そりゃ死にたくもなるわなという状況が気色悪い 無表情なカトウとお調子者っぽいスガのコンビが…

6冊目 「ワセダ三畳青春期」 高野秀行

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 22歳から33歳までの11年間を暮らした三畳(終盤は4畳半)のボロアパートでの日々 このハチャメチャ感はやはりワセダだからなのでしょうか 慶応や明治ではこうはならない? 終わりの2章は…

5冊目 「ショートケーキ。」  坂木司

ショートケーキ。 (文春e-book) 作者:坂木 司 文藝春秋 Amazon ショートケーキが繋ぐ短編集 各話の登場人物が他の話にちょいと出てくるのもお楽しみ ショートケーキのスポンジのような軽い口当たりのお話

4冊目 「ウエルカム・ホーム」 丸山正樹

ウェルカム・ホーム! (幻冬舎単行本) 作者:丸山正樹 幻冬舎 Amazon 特養で働く新米介護士の成長譚 入居者家族としても介護士家族としても色々頷くことは多い 理想論を語るだけでは意味がないしかといってマニュアルだけで動くのではあまりに悲しい 最後の事…

3冊目 「死神を祀る」 大石大

死神を祀る 作者:大石 大 双葉社 Amazon 30日間欠かさず参拝すると至福の死を授けてくれる神社 情報が拡散されるに連れて他所からも死を求める人がやってくるようになり皮肉なことに寂れかけていた街は潤っていく 痛みや恐怖のない死は救済なのか 家族が死…

2冊目 「バスクル新宿」 大崎梢

バスクル新宿 作者:大崎梢 講談社 Amazon 高速バスの車内外で起きる事件や謎 それを巡る人間模様 バスクル新宿という巨大バスターミナルを結び目につながっている 各話に出てくる少年 バスターミナルの妖精さんかと思ったんだけどね(笑) そういう話ではなか…

1冊目 「メモリークエスト」 高野秀行

メモリークエスト (幻冬舎文庫) 作者:高野秀行 幻冬舎 Amazon 昔であった人は今どうしているのか探して欲しいという依頼を募って高野さんが海外まで探しに行くという 贅沢な企画本 何しろタイ→セーシェル→南アフリカ→旧ユーゴスラビアと一気に駆け抜けた1ヶ…

2022年ベスト

遅ればせながら 明けましておめでとうございます 2022年の読了は197冊でした 恒例の10冊を 1.「ヒトコブラクダ層ぜっと 上下」 万城目学 acha3.hatenablog.com 2.「播磨国妖綺譚」 上田早夕里 acha3.hatenablog.com 3.「獣たちの海」 上田早夕里 ac…