2024-01-01から1年間の記事一覧

108冊目 「彼女はそこにいる」 織守きょうや

彼女はそこにいる 作者:織守きょうや KADOKAWA Amazon 短期間で次々と住人が代わる一軒家 過去に曰くがあるわけでもないのに気味の悪い現象が起こる その内の概ねには現実的な解決がつくのだがあとに少しだけ残る違和感 ミステリとホラー(とまではいかないか…

107冊目 「マンションフォンティーヌ」 小路幸也

マンション フォンティーヌ 作者:小路幸也 祥伝社 Amazon 築60年のフランスのアパルトマンを移築したかのような2階建てアパート 大家は78歳のフランス人女性 訳ありな人もいるけれど困ったことがあれば助け合おうとするし 心強い管理人もいる 優しい世界

106冊目 「川のある街」 江國香織

川のある街 作者:江國 香織 朝日新聞出版 Amazon 川のある日常を描く3編 2話目のカラス目線には意表を突かれる でもうまい 異国で暮らし認知がやや危うくなってきた老女の独白も胸にくるなぁ 江國さんやはり凡庸には手厳しい

105冊目 「夜明けの花園」 恩田陸

夜明けの花園 作者:恩田陸 講談社 Amazon 理瀬シリーズの短編集 半分くらい既読でも久々で楽しく読めた 登場人物たち端役かと思っていたらちゃんと背景があるのねといった話もあり

104冊目 「すべての神様の十月 三」 小路幸也

すべての神様の十月(三) (PHP文芸文庫) 作者:小路 幸也 PHP研究所 Amazon 人と関わりながら暮らす八百万の神様たち すごい力はないけれど半径100キロとか家族限定とか 人とともにある神様たちの喜びと悲しみ

103冊目 「湯治場のぶたぶた」 矢崎存美

湯治場のぶたぶた (光文社文庫) 作者:矢崎 存美 光文社 Amazon もうね何がどうってことなくてもぶたぶたさんありがとうって感じなのですよ このシリーズは 永遠に続いて欲しい

102冊め 「師匠はつらいよ」 杉本昌隆

師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常 (文春e-book) 作者:杉本 昌隆 文藝春秋 Amazon 師弟ともに好感度の高い藤井聡太名人の師匠杉本八段 将棋エッセイだと先崎学九段が有名だけど師匠もなかなかのもの まぁネタの宝庫だろうからねぇ 真面目と自虐とユーモアと…

101冊目 「じい散歩 妻の反乱」 藤野千夜

じい散歩 妻の反乱 作者:藤野 千夜 双葉社 Amazon 夫婦合わせて180歳超え 妻の老老介護の日々を送る明石新平 同居する長男三男は親亡き後はどう生きていくのか心許ない 家を出ている次男はいつの間にか自称長女となり優しさもありつつ父に辛辣な目も向ける…

100冊目 「うちのご飯の60年」 阿古真理

うちのご飯の60年 ──祖母・母・娘の食卓 作者:阿古真理 筑摩書房 Amazon 山村でほぼ自給自足生活だった祖母 大阪に出て独身時代は働いたけれど結婚後はほぼ専業主婦だった母 夫婦共にフリーランスとして働く娘 3代の女の食への向き合い方と社会が与えた影響…

99冊目 「一線の湖」 砥上裕將

一線の湖 作者:砥上裕將 講談社 Amazon 画家として一定の進歩はしている 評価も受けた だがどこか物足らなく自信が持てない 揮毫会での失敗に打ちのめされる主人公のもとに小学生への出張授業の依頼 技術だけでは語れない芸術の難しさ

98冊目 「続きと始まり」 柴崎友香

続きと始まり (集英社文芸単行本) 作者:柴崎友香 集英社 Amazon 飲食店で働く圭吾 地方都市(多分滋賀)で暮らすパート主婦優子 写真家のれい 無関係の3人の(コロナ下での)日常と震災の記憶 それぞれ皆親との間に齟齬を抱えつつ 事件が災害が戦争があっても結…

97冊目 「トゥデイズ」 長嶋有

トゥデイズ 作者:長嶋 有 講談社 Amazon 夫婦と5歳の息子のささやかなでも様々なことが起こる日常 しみじみとくる話

96冊目 「走馬灯交差点」 西澤保彦

走馬灯交差点 (ホーム社) 作者:西澤保彦 集英社 Amazon 西澤氏の代名詞とも言える特殊設定ミステリ 人間関係は入り組んでるは時間も流れ通りでないはで混乱しますが楽しめます 女性たちのキャラがそれぞれいかにもらしい ラストの豊子さん怖い

95冊目 「証言 雪崩遭難」 阿部幹雄

証言 雪崩遭難 作者:阿部 幹雄 山と渓谷社 Amazon 雪崩の危険性の周知 救助の実習や装備など講習を精力的に続けておられる著者の 実際の遭難場面を元にした解説 著者の活動はもちろんとても重要なのだと思うが それにしても不謹慎だが山岳遭難の実録ってどう…

94冊目 「奇譚蒐集録 鉄輪の娘と来訪神」 清水朔

奇譚蒐集録―鉄環の娘と来訪神―(新潮文庫nex) 作者:清水朔 新潮社 Amazon 秘された祭りと生贄として供される者たち そこに抗おうとする南辺田廣章と山内真汐 台風 過去に例を見ないほど凶悪なやつなんだそうだ 足が遅くて話しばかりでなかなか近づいて来な…

93冊目 「近畿地方のある場所について」 背筋

近畿地方のある場所について 作者:背筋 KADOKAWA Amazon オカルトライターが集めたインタビューや昔の記事ネットの書き込みなどを通してとある地方の不気味な怪異が浮き上がってくる 因果も理由も不明なままなところが気味悪いような物足りないような

91·92冊め 「風神雷神 風の章 雷の章」 柳広司

風神雷神 風の章 作者:柳 広司 講談社 Amazon 風神雷神 雷の章 作者:柳 広司 講談社 Amazon 京の扇屋俵屋の跡取り伊年は絵を描かせておけば何時間でも没頭しているちょっと変わり者 彼がその才能を本阿弥光悦や公家の烏丸光広 はたまた出雲阿国に触発されて …

90冊目 「東京すみっこごはん」 成田名璃子

東京すみっこごはん 全5巻(光文社文庫) 成田名璃子 ノーブランド品 Amazon ワケありな人たちが吸い寄せられるように集まってくるすみっこごはん 会費(月1000円)と実費(1回300円)を払ってくじを引いて当たった人が食事当番 感じ良い人も悪い人も優し…

89冊目 「播磨国妖綺譚」 上田早夕里

播磨国妖綺譚 伊佐々王の記 作者:上田 早夕里 文藝春秋 Amazon 播磨の国で農人や山人たちのために働く薬師の兄と僧侶の弟 2人の前にガモウダイゴを名乗る物の怪が現れる 周辺の物の怪たちを操るガモウダイゴの狙いは何か これからというところで話が終わっ…

馬場俊英 「君が僕の元気」

12日山の日の振替休日は馬場さんのライブを見に名古屋芸術創造センターに行ってきた この日に備えてけっこう予習をして来たんだけどそれでも半分くらい知らない曲だった でも特に問題はない 馬場さんも来年は30周年で色んなタイプの曲をお持ちだ 実はち…

88冊目 「歩く亡者」 三津田信三

歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理 (角川書店単行本) 作者:三津田 信三 KADOKAWA Amazon 不可解な事件に論理的な解を導くがその後に怪異とも解釈されうる謎が残っている(とも解釈できる) といういつもの三津田信三でその雰囲気とともに楽しめるのだけれど …

87冊目 「魔女推理」 三田誠

魔女推理―嘘つき魔女が6度死ぬ―(新潮文庫nex) 作者:三田誠 新潮社 Amazon 特殊能力を持つ一族の少女が死を味わうという形で事件の真相を手繰り寄せ 寄り添う少年が解を導く 互いに恋し合いながら秘する関係は青春

86冊目 「夜行堂奇譚 参」 嗣人

夜行堂奇譚 参 作者:嗣人 産業編集センター Amazon 隻腕の見鬼千早と県庁職員大野木のバディオカルトモノ 心優しい二人にホッとするけど夜行堂店主の凄みも良い 宝石商の話良かったな ところですごい敵が出てきてこの先どうなっていくんだろう 南海トラフ 突…

85冊目 「歌わないキビタキ」 梨木香歩

歌わないキビタキ 山庭の自然誌 作者:梨木香歩 毎日新聞出版 Amazon 人と馴れ合わない硬質な精神が美しくも厳しい山の生活に向かわせるのだろうか 書かれる小説とは別に今とこれからの世界への諦めめいたものも感じる

84冊目 「たすき掛けのふたり」 嶋津輝

襷がけの二人 作者:嶋津 輝 文藝春秋 Amazon 女同士の連帯の物語 でもその連帯は男を排斥することにもなったりするのだなぁ タケさんの正義も見る方向によっては正しい

登山家のこと

中島健郎さんと平手和也さんがK2d滑落 帰らぬ人となった www.fnn.jp 二人とも日本を代表する登山家で特に健郎さんはNHKのシリーズ番組をいつも見ていた あの素晴らしい映像を残して逝ってしまったのか 御冥福をお祈りします

83冊目 「夜明けを待つ」 佐々涼子

夜明けを待つ 作者:佐々 涼子 集英社インターナショナル Amazon シリアスな良作を発表してきたノンフィクションライターのエッセイ+ルポタージュ 生真面目な文章が印象的 あとがきに自身の病状とこの先の余命などが書かれていて驚く

82冊め 「タスキ彼方」 額賀澪

タスキ彼方 作者:額賀 澪 小学館 Amazon 戦時下箱根駅伝が中止させられる中なんとか駅伝を更には箱根駅伝の再開を画策する学生たち 一方現代のパリオリンピックマラソン代表を擁する大学陸上部の箱根への挑戦 正直現代部分のほうが興味あるんだけどメインは…

81冊目 「絶対猫から動かない」 新井素子

絶対猫から動かない 作者:新井 素子 KADOKAWA Amazon 良くも悪くも新井素子 帯に「いつか猫になる日まで」のアンサー小説とあったけど 中年以降に抱えた問題はなかなか猫になることを許さない 地下鉄の中で出会ってしまった未知の存在人類の捕食者との問題も…

80冊目 「雨だれの標本」 吉永奈央

雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ 作者:吉永 南央 文藝春秋 Amazon 高名な映画監督からの小藏屋を撮影現場に使いたいという打診と共に とある人物を探してほしいという依頼 山荘に暮らす謎の芸術家と草刈りの人の関係 久美ちゃんの恋の行方 家族の難しさ 最…