2022-01-01から1年間の記事一覧

141冊目 「シャルロットのアルバイト」 近藤史恵

シャルロットのアルバイト 作者:近藤 史恵 光文社 Amazon 子供のいない共働き夫婦と元警察犬のシャルロットの日常に起こるちょっとした事件 犬のいる暮らしの大変さも含めた楽しさの描写と人間の愚かさや浅はかさも描いていてでも信頼し合うふたりと一匹が爽…

140冊目 「考えて、考えて、考える」 丹羽宇一郎・藤井聡太

考えて、考えて、考える 作者:藤井 聡太,丹羽 宇一郎 講談社 Amazon 藤井本は何冊か読んだけど藤井5冠の生の言葉っていうのはあんまり読んでいないなと思って手に取った対談本 とはいえ63歳差の友人と言ってもそこはそれ受け答えは優等生的なものになって…

139冊目 「山怪 参」 田中康弘

ヤマケイ文庫 山怪参 山人が語る不思議な話 作者:田中 康弘 山と渓谷社 Amazon 山で起こる不思議な出来事はこれみよがしなところがなくて良いんだけれど 狐狸鬼火などなど どの話もあまり区別がつかなくなって3冊目ともなるとこれ前にも読んだっけ?とちょ…

138冊目 「オオルリ流星群」 伊与原新

オオルリ流星群 作者:伊与原 新 KADOKAWA Amazon 今の暮らしに疲れを覚え始めている45歳の男女 高校時代一緒に文化祭の展示を作った仲間が私設の天文台を作ろうとするのに惹き込まれていく 過去のいろいろに戸惑い悩むとしても30年近く立った現在でさえ最…

137冊目 「黄昏の百合の骨」 恩田陸

黄昏の百合の骨 (講談社文庫) 作者:恩田 陸 講談社 Amazon 理瀬シリーズ 祖母の遺言で祖母亡き後の屋敷に叔母二人と暮らす理瀬 同級生の少女理瀬のいとこ亘と稔 みな二面三面を隠し持っていて物語は最後まで二転三転 そんな理瀬の一族ってさて何を生業として…

136冊目 「QEDホームズの真実」  高田崇史

QED ~flumen~ ホームズの真実 (講談社文庫) 作者:高田 崇史 講談社 Amazon ホームズ譚と源氏物語ネタの両方が盛り込まれて2度美味しいというかより複雑というか。 特にホームズの方はフィクション現実がごっちゃになっているのをどう飲み込むかが難しいとこ…

135冊目 「雨夜の星たち」 寺地はるな

雨夜の星たち (文芸書) 作者:寺地はるな 徳間書店 Amazon 他人に興味を持たないところを買われてお見舞い代行業についた三葉 できないことはできないやりたくないこともやらないを通して人の言葉の裏も空気も読まない それでも意思も感情もあるから生き辛く…

134冊目 「とにもかくにもごはん」 小野寺史宜

とにもかくにもごはん 作者:小野寺 史宜 講談社 Amazon 子ども食堂を主催する波子さんと協力するボランティアの主婦や大学生、食事に来る子どもたち。それぞれの家族。 皆ただいい人なだけではなくて思惑も後悔もあるけれど美味しくご飯を食べてちょっとホッ…

133冊目 「大どんでん返し」 

超短編! 大どんでん返し (小学館文庫 ん 2-1) 小学館 Amazon 新しい作家の見本市みたいな感覚で手にとるんだけど私苦手なんですね、アンソロジー。 次々変わる書き手に誰の作品なのかわからなくなっちゃう そして超短編!大どんでん返し!なるほどっと膝を打…

132冊め 「パーマネント神喜劇」 万城目学

パーマネント神喜劇(新潮文庫) 作者:万城目学 新潮社 Amazon 千年の時を過ごす小さな神社の縁結び神様の物語 上級神からのノルマがあったりあっさり騙されたりちょっと頼りない神様だけど芯に熱いものもあって大きな神社に出世していく 大地震の後の諸々を…

131冊目 「つながりません」 長岡弘樹

つながりません スクリプター事件File 作者:長岡弘樹 角川春樹事務所 Amazon 映画撮影現場で起きる事件をスクリプターの女性が解決していく連作短編 端役たちも重複して登場する 最初の事件でんん~?となったのが最後に回収されてよかった 流石にあれを放置…

130冊目 「ムスコ物語」 ヤマザキマリ

ムスコ物語 (幻冬舎単行本) 作者:ヤマザキマリ 幻冬舎 Amazon 子供は親の都合で振り回される。それはもうどうしようもないこと しかしこの振り幅の大きさは大変な嵐だ。 それでもちゃんと育ったムスコ育てた母どちらも偉い。 神経痛 っていうとホント年寄り…

129冊目 「雪と珊瑚と」  梨木香歩

雪と珊瑚と (角川文庫) 作者:梨木 香歩 KADOKAWA/角川書店 Amazon 生まれたばかりの子供雪を抱えて途方に暮れる21歳のシングルマザー珊瑚 元修道女くららとの出会いから道がひらけていく。 疲れた人を励ますような食事を提供したいと始めたカフェが話題と…

128冊目 「時計屋探偵の冒険」 大山誠一郎

時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2 作者:大山 誠一郎 実業之日本社 Amazon アリバイ崩し承ります第2弾 今回も趣向を凝らしたアリバイを時計屋の時乃さんが一瞬で解き明かす。 こういう趣向の作品なのだから現実には~とか人物が~とか言わずに楽しめ…

127冊目 「博物館の少女」 富安陽子

博物館の少女 怪異研究事始め 作者:富安陽子 偕成社 Amazon 明治のはじめ両親をなくした少女が大阪から東京の遠い親戚のもとにやってくる 古物商の娘として ものを見る目を持つ少女イカルが博物館の蔵で怪異研究をするトノサマの手伝いをすることになる 怪異…

126冊目 「かくして彼女は宴で語る」 宮内悠介

かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖 (幻冬舎単行本) 作者:宮内悠介 幻冬舎 Amazon これもまた「黒後家蜘蛛」リスペクト作品。 明治の実在の芸術家たちの集まりパンの会(資料集に載ってたなぁ)で語られる謎な出来事に皆が喧々諤々 最終的には料理屋の…

125冊目 「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」 笛吹太郎

コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎 (ミステリ・フロンティア) 作者:笛吹 太郎 東京創元社 Amazon ミステリ好きが集まって美味しいお菓子と紅茶を味わいながらとりとめもなく話をするコージーボーイズの会 そこでメンバーやゲストが語る謎を皆でワ…

託孫記

お盆明けてすぐに娘の旦那ムコドノがコロナにかかった。当面お隣の実家に隔離となったが その翌日今度は娘が陽性。 孫Sはどうするの?と聞いたけど義父に買い物など頼みながらなんとか頑張ると。 しかしそのまた翌日にはやっぱり無理ですと電話。孫Sは二人と…

124冊目 「御坊日々」 畠中恵

御坊日々 作者:畠中 恵 朝日新聞出版 Amazon 相場師の顔も持つ貧乏寺の住職が訪ねてくる人の相談事に乗ったり厄介事に巻き込まれたりしながら 檀家として繋がったり疎遠になっていた兄弟子と和解したり。 派手さはないけど人の良さが滲んでくる。 お盆休み明…

123冊目 「京都の謎 戦国編」 高野澄

京都の謎・戦国編 (祥伝社黄金文庫) 作者:高野澄 祥伝社 Amazon 秋に京都に行く予定ができたので予習がてら。 京都におけるいろいろな何故?に答えをつけていく。 ただ筆者さんの推測や妄想が入っているのでどこまで真実をついているのかは私にはわからない…

122冊目 「旅猫リポート」 有川浩

旅猫リポート (講談社文庫) 作者:有川 浩 講談社 Amazon 野良猫を拾って5年仲良く暮らしてきた悟とナナ とある事情から手放さなくてはならなくなって一人と一匹は銀色のワゴンで旅に出る。 小中高校時代の友人たちを訪ね昔の思い出が語られ様々な理由でナナ…

121冊目 「失われた地図」 恩田陸

失われた地図 (角川文庫) 作者:恩田 陸 KADOKAWA Amazon 世の中の深層心理に誘われるように湧き出してくるグンカなるもの。 禍々しくワラワラと湧き出してくるそれを押し戻し裂け目を縫い閉じる能力を持つ一族。 なぜ?いかにして?がわからないままこれはま…

120冊目 「愚かな薔薇」 恩田陸

愚かな薔薇 作者:恩田陸 徳間書店 Amazon 「球形の季節」や「7月に流れる花・8月は冷たい城」に続く系譜だろうか? 山の中の町祭りの季節キャンプに集められる14歳の子どもたち。 彼らはそこで変異を迫られる。 虚ろ船乗りになるために。 最後はなんとも…

119冊目 「ボクもたまにはがんになる」 三谷幸喜

ボクもたまにはがんになる 作者:三谷 幸喜 幻冬舎 Amazon 前立腺がんで手術した三谷幸喜と主治医の先生との対談。 告知から手術予後までいろいろな話題がサラサラと語られていく。 前立腺がんの啓蒙書でもある。 しかし三谷幸喜がんの入院手術を全く隠し遂せ…

118冊目 「嘘をつく器 死の曜変天目」  一色さゆり

嘘をつく器 死の曜変天目(ようへんてんもく) 作者:一色 さゆり 宝島社 Amazon 次の人間国宝と目される陶芸家が殺される。現場は人気のない山の中で目撃者もない。 住み込みの弟子の女性の先輩のちょっと個性的な准教授が探偵かと思いきや地道な警察の捜査が…

117冊目 「絲的サバイバル」 絲山秋子

絲的サバイバル (講談社文庫) 作者:絲山秋子 講談社 Amazon ソロキャンプエッセイ。 とはいえおっさん仲間と釣りしたりきのこ取ったり講談社の中庭(?)で編集者と打ち合わせしたり 友人の家の庭先で食事は友人宅で頂いたりと何かと自由自在。 夜は一人焚き…

116冊目 「捜査線上の夕映え」 有栖川有栖

捜査線上の夕映え 火村英生 (文春e-book) 作者:有栖川 有栖 文藝春秋 Amazon 作家アリスシリーズ コロナ下での事件。だけどそれは本筋とはあまり関係なくて閉塞感と旅に出られる喜び(捜査だとしても) 防犯カメラに監視されている状態のマンションでの殺人…

115冊目 「銀獣の集い」 廣嶋玲子

銀獣の集い 廣嶋玲子短編集 作者:廣嶋 玲子 東京創元社 Amazon 「妖怪の子預かります」の作者さんのものだけどちょっとダークな後味。 特に表題作は怪しく美しくて次なる犠牲者を求めて続編希望。 あとの2作もこの先この子達はどうなるのかなぁ?と晴れ晴れ…

114冊目 「小松左京コレクション3」 小松左京

短編小説集I (小松左京コレクション 3) 作者:小松 左京 ジャストシステム Amazon 今週のお題「SFといえば」に釣られて小松左京を読み返し。 あまりに膨大な小松左京の短編の中からこのラインナップが妥当かどうかはわからないけど SFと言うと宇宙とかタイム…

漂着したクジラからのメッセージ

5月の郡司芽久先生のキリンに続いて今月は田島木綿子先生のクジラ。 流石に話しなれていらっしゃるのかリラックスした様子。 スライドも見やすい。字がちょっと小さめなのがあったけど。 海洋哺乳類の体の作りや系統からストランディングの現状や解剖した際…