155冊め 「仏像ぐるりの人びと」 麻宮ゆり子

 

仏像ぐるりの人びと

仏像ぐるりの人びと

 

 数年前交通事故で生死の境をさまよった少年が京都の大学に入り仏像修復師のもとでアルバイトを始める。

子供の頃から何故か仏像に心惹かれ仏像と心のなかで会話するような性癖を持った少年が事故のトラウマや家族との鬱屈を抱える中

修復師の師匠や仏像好きの友人たち何より朽ち果てそうな仏像を保存していく地味で根気のいる仕事を続けるうちに徐々に回復していく。

自分で考え自分で決断し自分の言葉で喋る。

そんな少年の成長物語と謎の仏像の探索。

少々寂しくも爽やかな読後感

男の子はって語る時

先日久々に兄に会った。

息子が会社辞めて戻ってきて転職したことについてそれはそれで良いとして

「落ち着いたらまた家を出なくちゃ」みたいなことを言われていた。

たしかに彼は大学進学で家を出てからほぼ家に戻ることはなかったな。

でも家を出ないと結婚もできないってそれはちょっと違うんじゃないかな。

うちの旦那は結婚するまで実家ぐらしだったよ。

 

そしたら今度は職場の店長がいい年した息子が母親と買い物に来るのはどうなんだろう?とか言ってて

そんなもんですかねぇ。。と思った。

うちの息子買い物にもついてくるし家族旅行なんかも一緒に行く。

男の子はあんまりそういうのしないって聞くけどさ。

 

そんな風に親と仲良くしてるのってあんまり良くないのかな?

でもわざわざそっけなくするっていうのもねぇ。。?どうよ??

 

普通に自然にしてたらこんな風になってしまった。

良くても悪くてもそれ以外にはできなかった。

開き直るわけじゃないけどさ。

154冊め 「カブールの園」 宮内悠介

 

カブールの園

カブールの園

 

 「カブールの園」と「半地下」の中編2編。

どちらもアメリカで暮らす日本人(日系人)の物語。

親や同級生周囲の大人たちからの無理解や強制や矯正が痛々しい。

ほぼ普通の物語なのにどこかSFの匂いがするのはその文体のせいか?

153冊め 「ラブ・ミー・テンダー」 小路幸也

 

ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン

ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン

 

 我南人と秋実さんの出会いの顛末。

前に短編でちょっと触れられていた。

まだサチさんも生きていてシャキシャキ活躍する。

 

152冊め 「もう生まれたくない」 長嶋有

 

もう生まれたくない

もう生まれたくない

 

 なんか良いんだよね。長嶋有は。

有名無名の死が語られる。そこにいる人達はゆるくつながっている。つながりを意識している同士もいればただ(主にマンモス大学の周辺にいる)というだけだったりもする。

教訓もなく説教もなく絶叫もない、ただなんか良いんだよね。

151冊め 「後妻白書」 工藤美代子

 

後妻白書: 幸せをさがす女たち

後妻白書: 幸せをさがす女たち

 

 寂しさの穴埋めや安定を求めて後妻の座に収まろうとする女たち。それは決して悪いことではない。

“後妻業”なんて言葉が流行ったけどそりゃ財産目当てで殺しちゃったり早死するように仕向けたりはとんでもないけどお互いにいろんな打算を抱えながら人生の終わりを仲良く過ごせるならそれでいいじゃないか?

でもなかなかそう簡単には行かないらしい。

当人たちの胸の奥にもその周囲の人達にとっても

 

だんだんシャリシャリ

我が家のお片付けついでにばあちゃんちの押し入れの中もさばいてみた。

何が入っているのかずっと気になっていたのよね。

昔からあるブリキのガンガンの中に目いっぱいの着物。おそらくもう50年ほども手を付けていない物。

調べてみたら宅配買取のお店があって買い取れなくても引き取ってはくれるそうだ。

もうこの際捨てると思って送ってしまえ。

大きめの段ボール箱2箱。ずっしり重い。

発送2日後ネットでお返事。

値段はつかなかったけどきれいに片付いただけでも良しとしよう。

風に当たることも陽の目を見ることもなく押入れの中で数十年。

もったいないは怠惰の言い訳だなぁ。。。

150冊め 「ブッポウソウは忘れない」 鳥飼否宇

 

ブッポウソウは忘れない

ブッポウソウは忘れない

 

 大学のとりの研究室で起こる不思議な事件。

草食系男子宗像翼、彼のマドンナ室見春香、同級生で女王様な曽根みやこ。

他にも教授や研究室の先輩たちを巻き込んでいろいろな事件が巻き起こるけど名探偵と言うほどもなくなんとなく事件は解決していく。

みやこのわがままっぷりや翼の優柔不断っぷりがちょっといらつくけど鳥の話もまずまず興味深く読んだ

 

冷え込んできた

まだちょっと早いかな?と思いながらストーブを出して灯油を買う。

そしたらやっぱりつけずにはいられない、寒いんだもの。

息子の部屋の暖房に迷ってオイルヒーターを導入。

すごく暖かいというほどではないけれど気密性が高くてそれほど広くなくてごちゃごちゃモノにあふれている彼の部屋にはちょうど良いのではないかと。。。

火事や一酸化炭素中毒の心配もないようだし。