155冊め 「あの人は蜘蛛を潰せない」 彩瀬まる

 

あのひとは蜘蛛を潰せない(新潮文庫)

あのひとは蜘蛛を潰せない(新潮文庫)

 

母親の愛情という名の押し付けに潰されそうになっている29歳ドラッグストア店長と8歳年下の彼氏。

悲惨な結末が頭をよぎる滑り出しだけど二人の関係の深まりとともに主人公の母親を見る目線も変わっていく。

強者に見えた彼氏にも傷があったり人はみな苦痛を抱えている。

蜘蛛を潰せなかったパート男性の行く末も気になる。

いあままで読んだ彩瀬作品の中では一番不穏。

それでも希望の灯はともる。