89冊め 「神々の山嶺 下」 夢枕獏

 

神々の山嶺(下) (集英社文庫)

神々の山嶺(下) (集英社文庫)

 

 山に登ること=生きることである男たち。平地に自分をつなぎとめておくことができない。

たとえどんなに山が辛く命の危険があっても、平地に愛する女がいても。

万端の準備を整えてエベレスト冬季無酸素単独登頂に挑む男と命ギリギリでその後を追おうとする男。

圧倒的な雪山の描写。

身近な人間から見れば身勝手な男たちだ。その執念と後に訪れるかもしれない安息が胸を打つ。