13冊め 「家族の歌」 河野裕子永田和宏その家族

 

家族の歌 河野裕子の死を見つめた344日

家族の歌 河野裕子の死を見つめた344日

 

 乳がんが再発して余命宣告を受けた妻、皆歌人である夫と息子と娘とともにリレーエッセイの連載を始める。

これだけでも相当すごいことだと思う。

よくわからないけれど短歌というのは日常のこまごましたことが題材になりやすいのだそうだ。

もともと家庭内のあれこれが歌として外に開かれていたのが妻の母の死という重い状況も一見穏やかに開示されている。

もちろんそこには表に現れない慟哭も葛藤もあったのだろうけれど