今日の読了本 145

「海うそ」 梨木香歩

海うそ

海うそ

私はこういう本が読みたくて毎年200冊前後の本を読んでいるのではないだろうか?
昭和の初め許嫁を亡くし父母も相次いで亡くした若き研究者秋野は南九州の島にフィールドワークに訪れる。
自然の息吹濃い島でそこに生きる人と出会い島をめぐり廃仏毀釈の嵐の中打ち捨てられた寺院や仏像をめぐる。
失われた物への哀切。そこで得る生きることへの力。
それから戦争を跨いで50年が経ち島には橋がかかり大規模なリゾート開発が始まっている。
ここでもまた失われいくものへの哀切とそれを越えていくものを。。