「摂食障害病棟」 大谷純
その分野の専門家がその専門知識を生かして小説を書こうと試みるというのはよくあることです
乱歩賞にはその手の受賞作が定期的に上がってきます。
ただ時としてそれは専門知識を羅列するだけで小説とは言いがたいものになっていたりもします。
この本も「小説」といえるのかなぁ。。
作者が蓄えてきた症例の紹介とも言えるかもしれない。
そのあたりはなかなか楽しく読みましたが
登場人物の会話として繰り広げられる摂食障害や精神分析はたまた宗教への言及は少々難しかったです。
今日の読了本 29・30
「よろずのことに気をつけよ」 川瀬七緒
乱歩賞作品。
ミステリの中で本格と呼ばれるものは例えるなら裏に絵の書いてある札を集めて行って最後に一気にひっくり
返すと違う絵が出てくる驚き。
でも普通はこの本もそうだけど裏が無地の札を一枚ずつ表替えしていく感じ。
(名)探偵役がいないせいもあって驚きも少なめ。
ミステリなら本格を愛する私ですが文章も読みやすいし薀蓄も楽しめてよかったです
次作が出たらまた読みたい
「東西不思議物語」 澁澤龍彦
澁澤氏がその薀蓄のほんの端っこをさらりと語ったエッセイ的な本