60冊目 「下山の哲学」 竹内洋岳

 

下山の哲学──登るために下る

下山の哲学──登るために下る

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遠足はお家に帰るまでが遠足です。

登山は下山するまでが登山です。

8000メートル峰14座サミッターが下山に焦点を当てて語る。

敗退や死の淵まで行った時雪崩に巻き込まれての骨折、多くの人の手を借りて生きて戻れたことも正直に記されている。

安全に下ってそして次の山に登るために。

59冊目 「匿名交叉」 降田天

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匿名のネット上でのちょっとした(つもりの)嫌がらせや憂さ晴らしが引き起こす事件。

最後のどんでん返し?伏線回収?がなかなか衝撃だけどそれにもましてみんなが自分の正義に酔って疑いもなく行動している怖さ。

58冊目 「その話は今日はやめておきましょう」 井上荒野

 

70才前後ながら一緒にクロスバイクを楽しむ夫婦。生活にはゆとりがあり子供二人は独立している。

そんな中夫が事故で足を骨折。たまたま知り合った青年に家事送迎などのアルバイトを依頼する。

自分ならこんな不用心に他人を家に入れるのは怖いなというのが終始の感想。

夫婦の前では見せないが不穏なものを胸に抱え粗野な言動も持ち合わせている。

井上荒野の恋愛小説における男にどうも魅力を感じられないのでこの新境地と呼ばれる作品は読みやすかった。

57冊目 「豊臣探偵奇譚」 獅子宮敏彦

 

時のめぐり合わせで百万大名になってしまい更に運命の変転で時の権力者の目の上のたんこぶになってしまった体力も精神力も上昇志向もない内向的少年。

不思議な事件に行き合いなんとか謎を解いて独り立ちしていく成長譚かと思いきや最後までヘタレな心優しい人だった。

 

 

56冊目 「終の暮らし」 曽野綾子

 

過去に出したエッセイからテーマに合わせて再録したエッセイ集。

曽野綾子さん晩年に来て版元さんに孝行しているね。

内容的にはそれほど過激なことは言っていなくてうなずけるものが多い。

私も跡形もなく消えていきたいと思っている。そして死後は速やかに忘れられていきたいと。

でもそこに行き着くまでが色々難しいのだよな。

 

55冊目 「藤井聡太はAIに勝てるか?」 松本博文

 

結論から言えばもう棋士は将棋ソフトに歯が立たない。全く。

でも将棋人気は一向に衰えない。羽生渡辺豊島佐藤藤井などなど私でも名を知る棋士たちの魅力だろう。

様々な棋士たちのエピソード衝撃の退会をした棋士のその後電脳戦コンピュータ将棋の開発者たち

それぞれ面白かったけどタイトルだけは釣りっぽい。

今は藤井聡太とつけると売れ行きが違うんだろうな。

 

54冊目 「名古屋駅西喫茶ユトリロ」 太田忠司

 

シリーズ3作目。

名古屋の地名や名古屋めしが色々出てきて地元民にはそれだけで楽しい。

でもここまでの名古屋弁を喋る人いくらお年寄りとはいえまだいるのかな?

そして太田先生の名探偵はいつも苦悩するのよね。