今日の読了本 140

「朝霧」 北村薫

朝霧 (創元推理文庫)

朝霧 (創元推理文庫)

デビュー作「空飛ぶ馬」を読んだのがもう20数年前のこと、以来このシリーズもそれ以外も楽しみに読んできた。
大学生だった主人公が卒業・就職して編集者となる。
シリーズ初めから教授・職場の先輩・大物作家・もちろん名探偵となる円紫師匠にも可愛がられてちょっと出来過ぎとも言える主人公だけど背筋の伸びた立派なオトナへの階段を登っていく。
でも初読みの時この作品はあまり好きではなかったんだな、なんかいつもにまして説明くさい気がして。
今回久々に新刊が出たので復習も兼ねての再読
「いとま申して」のシリーズの父上の日記が祖父の日記として登場していたりこの人の作品は全てどこか糸でつながっているのかもしれないなと
北村薫という大きな人そのものが作品なのかもしれないなと思う。
大きすぎてとても一望にはできないし私の目では遠い闇の中に消えてしまう部分が多すぎるのだけれどね。
同時代に生まれてよかったと思う作家の一人です。