7冊目 「異貌の人びと」 上原善広

 

被差別民・少数民族の取材のために世界各地に赴くがそれは職業意識のためと言うよりは

部落出身という自身の出自をあぶり出すための手段のようにも思える。

パレスチナで銃撃にさらされながら日本に残してきた女からの別れ話の電話にうろたえる様や

イラクで娼婦に心惹かれて昔関係のあった年上の女を思い出すなど虐げられた人たちに自分を重ね合わせているようだ。