今日の読了本 27

「生命の羅針盤 医師である娘が末期がんの父を看取るとき」 山田恵子

生命の羅針盤 -医師である娘が末期がんの父を看取るとき

生命の羅針盤 -医師である娘が末期がんの父を看取るとき

副題にあるとおり医師であり一般の人に医療現場の実態を知ってもらう活動をしている著者が
父親のガン宣告からその死までの刻々うつりゆく自分や家族の心情、一方冷静に医師の目で見る
病状の判断や担当医師への評価。
そんな諸々が端的に綴られています。
患者やその家族というのは一般に病気に対しては無知なもので私自身も父を亡くしていますが
最期の入院生活の時医師からはかなりあからさまに末期の状態や余命を語られたいたにもかかわらず
死を覚悟する気持ちの一方でその実感がずいぶん遠いところにあるような日々を送ったものでした。
著者はそんな家族の心情を理解しつつその時実際はどういう状況であるのかを指し示してくれる
冷静な一面と家族としての情故に現実を見誤ることへの寛容を現している。
良い本でした。