133冊目 「想像ラジオ」 いとうせいこう

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 震災の津波で流されて高い木のてっぺんに引っかかっている人物が想像の電波に乗せて送るラジオ番組想像ラジオ。

送り手も受け手ももうすでにこの世にはなくただ魂だけがまだそこここを漂っている存在。

そのような人たちの言葉を語ることが傲慢だという意見もあろうし作家自身もそこに迷いを感じているようにも思える。

結局は生き(残って)いる者の言葉であり祈りなのだろう。