155冊め 「仏像ぐるりの人びと」 麻宮ゆり子

 

仏像ぐるりの人びと

仏像ぐるりの人びと

 

 数年前交通事故で生死の境をさまよった少年が京都の大学に入り仏像修復師のもとでアルバイトを始める。

子供の頃から何故か仏像に心惹かれ仏像と心のなかで会話するような性癖を持った少年が事故のトラウマや家族との鬱屈を抱える中

修復師の師匠や仏像好きの友人たち何より朽ち果てそうな仏像を保存していく地味で根気のいる仕事を続けるうちに徐々に回復していく。

自分で考え自分で決断し自分の言葉で喋る。

そんな少年の成長物語と謎の仏像の探索。

少々寂しくも爽やかな読後感