88冊め 「ことり」 小川洋子

 

ことり (朝日文庫)

ことり (朝日文庫)

 

 なんだか切ないお話だなぁ。。。

世間の片隅で誰にも顧みられずひっそり暮らす兄弟。

兄は自分独自の言葉を語り弟はただ一人その言葉を理解する。

そして二人で静かに小鳥のさえずりに耳を傾ける。

小鳥の小父さんは兄の犠牲になったんだろうか?

人から疑われたり拒絶されたりたまにある淡い交流も一方通行なようにも思える。

でも小父さんが愛した以上の世界を自分が果たして持っているのかと思った時、もっともっと切なくなる。