71冊め 「美少女」 吉行淳之介

 

美少女

美少女

 

 50年も前の作品ということで流石に古さは否めない。

LGBTに対する見方も今なら炎上物だ。

それでもこの人の文章には惹きつけられるものがある。

70冊め 「敬語で旅する四人の男」 麻宮ゆり子

 

敬語で旅する四人の男 (光文社文庫)

敬語で旅する四人の男 (光文社文庫)

 

 なんとなく勝手にライトミステリだと思いこんで読み始めて、いつまでたっても謎が出てこない(笑)

特に深い関係がない4人の男性がなんとなく一緒に旅に出る。

それぞれに抱えているものがあってでもそこには踏み込まない。

アスペルガーをイメージしている登場人物が真面目なんだけどはたから見れば身勝手で周りを振り回すんだけど結構みんなに愛されている。

みんなそれぞれの人生で振り回したり振り回されたり傷つけたり傷つけられたりして生きている。

73冊め 「メアリー・スーを殺して」 乙一・中田永一・山白朝子・越前魔太郎・安達寛高

 

メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション
 

 乙一の一人五役アンソロジー

基本構造は皆エグくてグロい。その中に優しさがあったりする。

 

本格ミステリ大賞

大賞は竹本健治氏の「涙香迷宮」

候補作は

『悪魔を憐れむ』西澤保彦

『おやすみ人面瘡』白井智之

『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』井上真偽

『誰も僕を裁けない』早坂 吝

『涙香迷宮』竹本健治

う~~ん、一冊も読んでいない。

西澤保彦は割と好きな作家だけどこれはノーチェックだった。作風に好きなのと嫌いなのがあるんだよなぁ。

かつては本格・新本格とついただけで飛びついたんだけど最近はちょっとついていけないものが多い。

69冊め 「彼女がエスパーだったころ」 宮内悠介

 

彼女がエスパーだったころ

彼女がエスパーだったころ

 

 オカルティック・疑似科学な現象をルポタージュ風に始まって次第にレポートする側が巻き込まれていく。

エスパーとか水の神話とかホメオパシーとか胡散臭いのにどこかでもしかしたらと思わせる。

凝視することで逃げられなくなっていく。

68冊め 「青光の街」 柴田よしき

 

 青い電飾が遺体のそばに撒かれる連続殺人。

探偵事務所に依頼された有名人の婚約者の身辺調査。

作家兼探偵事務所所長の友人の誘拐事件。

警察・探偵・犯人と目まぐるしく視点が変わるのにそれほど読みにくくならない。

これはわたしにしては珍しい。

数段構えの真相にはあっ?と驚くのにちょっと時間がかかった(笑)

 

67冊め 「村田エフェンディ滞土録」 梨木香歩

 

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

 

 考古学研究のためトルコに留学した村田、エフェンディと言うのは先生と呼ぶ如き尊称らしい。

国籍も宗教も背景も異なる者たちが寄り集まる下宿屋の居間には鸚鵡までもがいて議論したり心配したり気遣い合ったりしている。

帰国後革命があり戦争が起き彼の国の人たちの死の知らせとともに鸚鵡が村田のもとに届く。

それまで静かに語られてきた物語がこちらの感情を大きく打つ。

 

「家守綺譚」の高堂や綿貫とも物語は連なっていく。

66冊め 「雨の日も神様と相撲を」 城平京

 

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

 

 幼い頃から両親の期待のもと相撲を続けてきた中学生の文季。

両親を事故で亡くして引き取られた叔父の家は相撲好きのカエルを崇める村だった。

体の小ささと非力を知恵と知識で補ってきた彼にカエル様が助言を求めてくる。

ファンタジーでミステリでど真ん中なラノベです