50年も前の作品ということで流石に古さは否めない。
LGBTに対する見方も今なら炎上物だ。
それでもこの人の文章には惹きつけられるものがある。
なんとなく勝手にライトミステリだと思いこんで読み始めて、いつまでたっても謎が出てこない(笑)
特に深い関係がない4人の男性がなんとなく一緒に旅に出る。
それぞれに抱えているものがあってでもそこには踏み込まない。
アスペルガーをイメージしている登場人物が真面目なんだけどはたから見れば身勝手で周りを振り回すんだけど結構みんなに愛されている。
みんなそれぞれの人生で振り回したり振り回されたり傷つけたり傷つけられたりして生きている。
青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)
青い電飾が遺体のそばに撒かれる連続殺人。
探偵事務所に依頼された有名人の婚約者の身辺調査。
作家兼探偵事務所所長の友人の誘拐事件。
警察・探偵・犯人と目まぐるしく視点が変わるのにそれほど読みにくくならない。
これはわたしにしては珍しい。
数段構えの真相にはあっ?と驚くのにちょっと時間がかかった(笑)
考古学研究のためトルコに留学した村田、エフェンディと言うのは先生と呼ぶ如き尊称らしい。
国籍も宗教も背景も異なる者たちが寄り集まる下宿屋の居間には鸚鵡までもがいて議論したり心配したり気遣い合ったりしている。
帰国後革命があり戦争が起き彼の国の人たちの死の知らせとともに鸚鵡が村田のもとに届く。
それまで静かに語られてきた物語がこちらの感情を大きく打つ。
「家守綺譚」の高堂や綿貫とも物語は連なっていく。
幼い頃から両親の期待のもと相撲を続けてきた中学生の文季。
両親を事故で亡くして引き取られた叔父の家は相撲好きのカエルを崇める村だった。
体の小ささと非力を知恵と知識で補ってきた彼にカエル様が助言を求めてくる。
ファンタジーでミステリでど真ん中なラノベです